尾道から数えるとしまなみ海道最後の島である大島。
来島海峡大橋や、道の駅よしうみいきいき館、能島水軍潮流体験等々、著名な観光地がたくさんあることで知られています。
中でもトリップアドバイザー2位にも選ばれたことがある、亀老山展望公園はしまなみ海道のサイクリストでは知らない人はいないのではないでしょうか。
さて、そんな風光明媚な大島ですが、我々のような尾道側のサイクリストからすると未知の道がたくさんあるのです。
というのも大島は尾道側からすると一番離れた島となる為なかなか開拓しにくい立地なのです。
その日のメインを大島一本に絞って走れば良いのかもしれませんが、最近のライドは途中で殺し合いが起こることが非常に多く、しまなみ海道も後半まで走るとアップダウンが非常に激しいと言われる大島を周回するような元気がありません。
特にピンクと白の反射板が入った上着を着ているオッサンやジレを羽織ったオッサンが千切れたり、すぐにバテて休憩を求めて来るので帰宅時間が遅くなることもしばしばなのです。
年末年始の激務の反動か…2週連続で風邪を引き、「欧米ではコーラが薬は常識。コーラで風邪や下痢や吐き気が治る。」という言葉を思い出し、食欲も無いのでひたすらコーラを飲み、気がついたら3kgも太っていた私を誰が責められるでしょうか…。
なんとか体調も回復の兆しが見えた金曜日の夜、当ブログにも度々登場するりょーさんから回復走を兼ねて、大島にある「食堂みつばち」に行かないかというお誘いが。
せっかくSPECIALIZEDのシューズを買ったのに走った時間よりもベッドに横たわりながらハァハァ言いながら眺めた時間の方が長かったので、「ご飯を食べに行くくらいの強度ならなんとかついていけるかな」と思い参加することにしました。
今回のメンバーは実業団Equipe Tyran(←リンクあり)のりょーさん、阿蘇さん、超絶クライマーのしげくんです。
この日の最高気温は4度と、アフォかと言いたくなるようなクソ天気だったので、ウォーミングアップを兼ねてゆっくり走ろうと話していたのですが、ジレを着たオッサンが、序盤の因島大橋手前で千切れてしまいました。
ナンテコッタ!!まさかここまで脚が回らないとは…。
「しまった!やはりコーラはトクホのコーラかダイエットコーラにするべきだった!!」と思いましたが、割りと得意なハズの平地でも後ろに張り付くだけで精一杯。
登りでもないのに頭の中でクラシック鳴ってる!!ではなくてメイド・イン・ヘブンが延々と流れています。下りでなんとか追いつくものの、平地ですらまともに踏むことが出来ません。
よ、ようやく生口橋が見えてきた…。「あ、あれがプッチ神父が言っていた14の言葉の中にあった、らせん階段か…。」
しまなみ海道の島の中で一番平坦区間がある生口島でもひたすらツキイチだというのに瀕死状態。
ローソンで補給休憩に入ります。ああ、一番仕事してないのに俺だけ物凄い汗なんだけど。
ぴろ:「ところでしげくん。何故君はこのクソ寒い日にティンコフの半袖ジャージなんだい?まさか貴様…!初めから強度を上げて殺す気だったのか…!!」
しげくん:「そんなことないですよ!中にたくさん着込んでますよ。でもスゴく寒いんですけど。」
りょーさん:「もう君はティンコフではない。今日から『チンコ夫サブ男』だ。」
ぴ:「このままだと風邪ひいちゃうから俺の予備のレインジャケット貸してあげるよ。ベンチレーションはイマイチだけど防風性能はすごいからこういう寒い日にはウインドブレーカー代わりに使えるよ。(よし、これで体が冷えて脚が回らなかったと言い訳が出来る)」
し:「おお!これしゅごいですね!!すごい防風性能です!」
「俺それ貸したよね?当然牽いてくれるよね?」と、無言の圧力を掛けつつ『フフ見てごらん。これが金の力さ。』と社会の常識を教えつつ、最後尾に張り付き、なんとか大三島へ到着。
せっかくなので何枚か記念写真を撮っていきましょう。チンコ夫サブ男のプライドなのか記念写真は半袖ジャージで撮りたがるしげくんストイックスギィ!!
体が冷えないように少しだけ大三島でひと休みし、そのまま一気に伯方島を抜け大島へ入ります。
エキップティラン勢のペースが上がっていまうすが、先程の作戦が功を奏した様でしげくんがアシストしてくれているのでなんとか後ろを走ります。
いつもならブルーライン沿いに山を登るのですが、この日はブルーラインを外れて漁港方面へと進みます。
今回目指す「食堂みつばち」さんは大島の外周コースに位置しているのです。
漁港を抜けると大きな建物が見えてきました。これは村上水軍博物館だそう。
今までかなりの回数しまなみ海道を走って来ましたが、ブルーラインから外れた所にこんなに大きな博物館があるとは…!意外と知らない方も多いのではないでしょうか?正直、近いうちに行ってみたい。(車で)
坂を越えると海が見えてきました。しかもこのタイミングで曇りがちだった空に晴れ間が見えてきました。
海が最高に綺麗に見えます。この向こうが四国ですね。今見えているのは西条市か新居浜市かな。
あまりにも海が綺麗なので、止まって撮影することに。さすが大島。
尾道側の海と違って透明度が違います。しまなみ海道から眺める海と空はどうしてこんなにも綺麗なのか。
来月から仕事辞めてここにテント張って魚でも釣りながら自給自足生活します。誰か止めて下さい。
しげくん:「よーし僕も!!!」
ぴろ:「いや、だから何故脱ぐんだwチンコ夫サブ男としての意識高すぎだろww」
遊んでいたらいい感じにお腹も空いて来ました。時計を見るとそろそろお昼時。
りょーさんの話だともう間もなくで「食堂みつばち」に着くそうです。
ここまで来るだけでもかなり体力を消費しているのでお昼はしっかり補給しなければ!!とりあえずコーラが飲みたい。
短いアップダウンを繰り返すと程なくして丘の上に青いベンチが見えて来ました。
ここが「食堂みつばち」さんです。
青いベンチに青いシックな建物が目印。イメージカラーは水色なのだろうか。駐車場にはバイクラックまできちんと完備されています。
せっかくなので青いベンチで記念写真を撮ろうということに。バイクラックに自転車を起きましょう。
りょーさん:「よーし、しげくんとツーショットだ。」
ぴろ:「うわぁ、いい感じにキモいのが撮れたわ。しげくん照れずにもっと寄ってくれる?」
ぴ:「よし!じゃあ次は三角関係!」
りょ:「阿蘇さんがガチで嫌がっているいい感じのが撮れましたよ。」
阿蘇さん:「。。。」
りょ:「次は高校が先輩後輩同士のショットを撮りましょう。」
しげくん:「よーし!!ヌギヌギ」
ぴ:「だから何故脱ぐんだ。」
アフォやっていたら完全に体が冷えてきたのでそろそろ店内に入ってみましょう。
しかし、どう考えてもローディーおじさんが来るようなところじゃないくらいにオシャンティ過ぎるお店です。本当にありがとうございました。
食堂って言うから大崎上島ライドの時の徳森食堂(←リンクあり)みたいなのを想像していた。入り口を跨いだけで召されてしまいそうです。
入り口も去ることながらやはり店内もオシャレ。
天井や壁も所々ブルーでレトロな照明と非常にマッチしています。窓ガラスにメニューが書いてあるなんて、さっきまで「とりあえずコーラで。」とか言う来満々だった私が、「ランチとcoffeeのセット下さい。」といつの間にか言ってしまっているくらいのオシャンティさです。
席はテーブルとカウンター席があるのですが、せっかくなので海が見える窓側のカウンター席へ。なんとひざ掛けも貸してもらえます。
ランチは種類がいくつかあるのですが、みんな仲良く焼きチーズカレープレートを注文。
せっかくなのでデザートにプリンも頼みましょう。HPもゼロ寸前ですが、ライド後半戦は頑張る気もゼロです。
チーズカレーが出て来るまでの間、海を見ながら自転車談義に花が咲きます。
自転車は見えるところで食事出来るし、海は綺麗出し、言うこと無し。海を眺めながらふと思ったのですが、このお店のイメージカラーはここから見える景色の色なのかもしれません。
15分ほど待つとカレーが出てきました。たっぷりチーズで表面は程よく焦げていてこれは美味しそう!
プレートにはクラムチャウダーとサラダも付いてきます。カレーはTHE日本のカレー辛さ控え目の味。チーズと程よくマッチングする味で非常に美味しいです。
さっき外のベンチで騒いでいたので、冷え切った体に熱々の焼きチーズカレーが染み渡ります。
クラムチャウダーもこれ単品で1リットルくらい食べられそうなくらい美味い。なんだこれ。もう退職してここで働きます。
食後の珈琲とプリンもなんというオシャレな出し方か。
珈琲のカップやお砂糖入れまで拘りを感じます。セットのドリンクは+300円、スイーツは+200円です。
ところでこのプリン大盛りは無いのでしょうか?
美味しい食事とスイーツをしっかりと堪能した後は、とても…とても辛いですが、戻らねばなりません。
美味しいものを食べた後のライド後半戦はいつも「ああ…俺の自転車だけ今からモーター内蔵ってことにならんかな…」と思ってしまいます。
「食堂みつばち」さんを出た後はまたしても登り。
どうやら大島の外周コースはとにかくアップダウンの連続の様子。こ、これはかなりキツい…。これ以上登りが続くと出ちゃう。
坂を下ったところで地図を確認していたら、こんな看板が…。
左側のルート「道は悪い」って書いてあるの超怖いんだけど。
りょ:「うーん、左行きましょう。」
ぴ:「いや、ちょっと待って欲しい。あまりの辛さに幻覚が見えているのかもしれないが、アレはなんだ。」
阿蘇さん:「なにこれwwwめっちゃ気になる。」
しげくん:「でもこれどう見てもただのロッカーですよwww」
ぴ:「これは危険だ。やはり右に行こう。早く引き返すべきだ。」
りょ:「左に抜けて途中ちょっとだけ登ればすぐ帰れますよ。」
しかし、全然ちょっとではなく、激坂のアップダウンがひたすら続きます。斜度も10%超えのものばかりで、どんどん皆から離されてしまいます。
アァ!!オワッタ!!もういっそのこと殺してくれ。
ようやく激坂区間をクリアし、平地で皆と合流。山の上に数字が点滅している大きな掲示板みたいなものがあったのですが、これはいったい…。風の強さを表示しているのでしょうか。
終わりに終わった脚をなんとかぶん回すと来島海峡大橋が見えてきました。
登りが苦手な私ですが、丘を越えた先にこんな絶景が待っていると辛い坂でもまた登ろうと思えてしまうのがロードバイクの不思議な魅力ですね。
病み上がりのズタボロの体でもなんだかんだで来てよかったと思えてしまいます。
あれ…?でも来島海峡大橋が見えたってことはこれは今治側…ということは尾道に戻るにはまた相当登らないといけないのでは…。
この後、更に千切れまくりましたが、なんとか帰宅…。
うーん、しばらくロード乗れない時はやはり少しずつリハビリしないとダメですね…。
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