別にマニアでも無いけど、廃墟だとかダムだとか秘境だとかと聞くと、なんだか興味が出て来てしまうというタイプの人がローディーには多いような気がしますが、なかなか中2病が完治しない私としては、上記のワードを聞くだけで、「え!?なにそれ!?自転車で行ってみたい!」とすぐに行動に移したがってしまいます。
先日当ブログで紹介させて頂いた片鉄ロマン街道ライド(←リンクあり)では、「廃線」+「ロマン」という中2ワードが、私の中2心を擽り、遥々岡山まで往路は自走、復路は輪行で行ってきたのですが、土地勘が無い道を走るということは冒険心も擽られて、その日のライドをより一層楽しくしてくれることがわかりました。
『またあんな廃線やノスタルジー溢れる景色を見れないものか。でも、そんなの所なかなか近くに無いしなぁ…。』と思っていたら、しまなみ縦走(←リンクあり)でもご一緒した、鹿老渡さんから「可部線の廃線区間に沿って走ると面白いですよ!」とアドバイスが!!
しかも、川沿いに登ればダム湖百選にも選ばれている温井ダムがあるとのこと!
「廃線」+「ダム」と言われればこれはもう行くしかありません。
最終目的地を温井ダムに定めて、ルートを考えていたら、バイクで行った経験がある阿蘇さんが走りやすいルートを引いて下さいました。
最短ルートを通ると登りが苦手な私が途中の山岳区間で遭難、後日冷たくなって発見される可能性が高い為、なるべく登りが少ないようなルートを引いてくれたので、今私はこうしてブログを書くことが出来ています。
片鉄ロマン街道の時よりも距離はあるのですが、、今回は自走が出来そうならも往復自走、輪行したら負けだと己に言い聞かせながらも、『ほ、ほら…到着するのが遅かったら暗くなるし、疲れもピークだったら夜道も危ないかもしれないし…(震え声)』とも思ったので念のため輪行バッグも持って行くことにしました。
今回は久しぶりのソロでのロングライドなので、『きちんとペース配分を考えて走らないと…』と思っていたのですが、なんと出発前夜にツイッターでよく絡んで下さるドミさんから、「温井ダムは何度も行ったことがあるのでよかったら一緒に行きませんか?」と、とても有り難いリプが!!
市内で合流して案内して下さることになりました。
やった!これで後半はツキイチで楽が出来るぞ!!
当日は5時起床、5時半出発。
ローディーの朝は早い。
クソ眠いし、寒いし、眠いし、オフトゥンに戻りたい欲求に駆られますが、モソモソとサイクルウェアに着替え出発。
まだ日も昇っていないということもあり、寒くて眠気が一気に吹き飛びます。
しばらく走っていると少しずつ日が昇って来ました。
普段は交通量がとても多い2号線もこの時間帯だととても快適に走れました。
あっと、言う間に三原駅へ到着。
土曜日のこんな時間なのに電車にはパラパラと人の姿が。
当ブログでも何度も訪れている沼田本郷天然水は今回は寄らずに通過。
今日のライドは距離が長いでの出来るだけ休憩は取らずに進みます。
朝日が出て来ました。
夜明けを見ながらのライドというのはこういうロングライドをやらないと経験出来ませんよね。
なかなか乙なものです。
しばらくは線路沿いを進むので、迷うことは無さそうですが、土地勘があまり無い道を通るので、曲がる所を間違えないように念の為GARMINのナビを起動します。
しばらく進むとこんな看板を発見!
何度か通ったことがある道ですが、こんなものがあったとは。
ソロでのんびり走っていると新しい発見があったりします。
なんだかとても凄そうなネーミングですが、看板を見て満足しました。
思ったよりも早く東広島市に入りました。
本郷から斜度2%〜3%程の登りがひたすら続いています。
ペースは無理に上げないように、踏みすぎないように淡々と進みます。
朝ご飯はしっかり食べてきたのですが、お腹が空いてきたので、この日の為に購入しておいた超高級補給食パワーバープロテインプラスを食べてみましょう。
Amazonで購入すると1本390円という狂った値段ですが、きっとこれだけ高いということはそれだけ素晴らしい効果があるハズです。
(ちなみにWiggleのセールで3本で450円で購入。)
味はとても普通です。
しばらく走ったら超回復した!ということも無いのですが、しっとりしているので走っている最中食べても喉に詰まりにくいです。
ちなみにAmazonでこちらの商品はアダルト商品にカテゴライズされています。
クリックすると年齢認証までちゃんと出てきます。
私のブログを読んでいる18歳未満の方は年齢確認をよく読み、間違って買わないようにしましょう。
でないと私のように食べても効果が実感出来ない可能性があります。
さて、なんだか元気になったような気がすると思い込んだことで、プラシーボ効果が出てきたので気合いを入れ直して進みます。
日が昇って温かくなってきたと思ったら、今度は山岳部を走っているせいか、日陰がかなり寒くなってきました。
新しく買ったグローブをとにかく使いたかったというだけで指切りグローブで来たのは失敗だったのかもしれません。
日中は温かくなるという予報ですが、山にこの法則は当てはまりませんね。
なんだこのキティちゃんは!!
農具を持っているように見えたけど、もしかして旗か何か持っていたのかな。
これまでジワジワと続いていた登りが福富辺りから一気に斜度が上がって来ました。
GARMINで現在地を確認します。
うーん…。どうやらもう少しこの峠は続くようだ…。
峠の最後でとても綺麗な三角形が見えますが、見なかったことにしましょう。
志和町に入りました。
この峠ももうすぐ終わるハズ!!
峠を登りきると長い下りに入ります。
え!?
なんだあれは…!!?
まさか雲海ってやつか!?
少し下ると開けた場所に出たので、思わず立ち止まってしばらくの間眺めてしまいました。
これは凄い…。
目的地にまだ着いてもいないのに早くも来てよかった感がこみ上げて来ます。
雲海を十分堪能したので、そのまま下っていると、
えっ!?なんだあの霧は…!?
まさか上で眺めてたヤツか!?
どう考えても避けようがないので、そのまま突っ込むしかありません。
ギャー!
視界がかなり悪い!!
そしてクソ寒い。
ウインドブレイカーを羽織り、ガタガタと震えながら下ると、そこにはサイレントヒルのような世界が。
遠くにバブルヘッドナースのような動きをしている影が見えたので、本気でビビったのですが、朝の散歩をしているおじいちゃんでした。
あまりにも寒いので、下りきった所のコンビニでようやくちゃんとした休憩を取ることにしました。
ただ天気が悪いように見えるけど、この少し上は晴れているんだよなぁ。不思議。
ここでドミさんと連絡を取り、上深川のセブンイレブンでお会いすることになりました。
一人旅ももうすぐ終わり。
つまりもう少し走ればツキイチで楽が出来るのです。
しばらく30分ほど走っていると晴れ間が見えてきました。
さっきまでのサイレントヒルのような世界が嘘のようです。
そしてドミさんとの待ち合わせ場所のセブンイレブンに到着!
体力的にはまだまだ走れるのですが、ロングライドではいつも使用しているメイタンゴールドをここで補給。
ドーピングしたかのごとく元気が出るので超おすすめです。
ライド後半でとても疲れた時に使用しても効果は抜群なのですが、中盤辺りで使用することでタレにくくなるような気がするので、私はロングライドではいつも中盤に補給をしています。
しばらくするとドミさんも到着しました。
ドミさんのバイクはNEILPRYDEのNAZAREです。
ブルーと黒がちょうど半分ずつのようなカラーリングで、カッコイイ!!
バイクとウェアの統一感が素晴らしいです。
ドミさんにガイドをお願いし、私は後ろで休みます。
広島市内はやはり交通量が多いですね。
ドミさんがなるべく交通量が少ない所を選んで走ってくれます。
散歩している方やママチャリも多いので、のんびりゆっくり走ります。
途中にえらく大きなコーンが何故か鳥居の前に置いてあるというよくわからないシチュエーションに遭遇したので記念撮影。
車が鳥居を中を潜って不法駐車等をしないように置いてあるのでしょうが。
ドミさんのお陰であっという間に「あき亀山駅」に到着出来ました。
さてこの「あき亀山駅」ですが、見たところ何の変哲も無い駅に見えますが、2003年に廃止された可部~三段峡区間を一部復活させており、廃止路線の復活というのはなんと全国初の事例という何気にすごい駅なのです。
需要が無いから廃線を決めたら、今度は広島市内の人口が増え過ぎて廃線区間まで住宅地になったので、復活させたそうです。
最後に乗ろうという人が殺到し、三段峡まですごい人だったとか…。
余談ですが、広島県と島根県の県境にある三江線も、利用客の減少により2018年3月末で廃線が決定しましたが、三江線でも同様の現象が起きそうです。
三江線と言えば「天空の駅」と言われる、ホームと待合室が地上20メートルの位置にある「宇都井駅」にどうしても一度行ってみたいので、近いうちに当ブログでもライドレポートを書くことになるかもしれません。
(↓宇都井駅))
「あき亀山駅」を堪能したら、再出発。
ここから廃線を辿る旅が始まります。
「あき亀山駅」のすぐ側にはまだ当時の線路が部分的に残っています。
ここもしばらくしたら完全に無くなるのかもしれません。
快晴の中川沿いを進みましょう。
線路に沿っている道は無いので途中途中で駅の跡地に立ち寄ります。
しばらく走ると赤レンガのレトロな建物が見えて来ました。
どうやら太田川の漁業協同組合の跡地な様子。
シャッターには真新しさを感じます。
まだ使用されているのかもしれません。
ドミさんが巧みに交通量が少ない道を案内してくれるので快適に走れます。
目の前に赤いステキな吊橋が見えて来ました。
せっかくなので渡ってみようと言うことに。
橋幅は軽自動車がギリギリ通れるかどうかの幅です。
我々が通り過ぎた後に軽トラが通っていたので、地元の方は御用達の様子。
橋で写真を撮ってしばらく走ると、今井田駅が見えて来ました。
線路はもう無く駅だけ当時のまま、ポツンと残っています。
畑のすぐ隣にあるので「今井田駅」の駅名標が無ければ気が付かなかったことでしょう。
ふと時計を見るともう12時を回っていました。
お腹が空いてきたのでそろそろお昼にしようということに。
ちょうどいいところに私が愛してやまないコンビニ、ポプラを発見!!
ここでお昼にしましょう。
お店の入り口に猫がいました。
首輪を付けているのでここのポプラのオーナーさんの猫なのかな。
と思ったらお店に入ることは無く、ジーっと外に座っています。
お弁当はチキン南蛮弁当の大盛りにしました。
ポプラの素晴らしいところは炊きたてご飯を詰めてくれるところ。
しかも大盛りまで料金は変わりません。
ご飯の盛り具合は店員さんによって異なるので、このようにご飯が明らかにご飯エリアからはみ出して盛ってくれたりします。
お弁当を食べていたら、さっきの猫がww
こ、コイツ…。
買い物したお客さんが何か分けてくれるのを待っていたのか…!ww
猫と遊んで、癒されたところで出発。
食べすぎて体がめちゃくちゃ重いです。
さっきと同じような吊橋がここにも。
安芸太田町にはこういった吊橋がたくさん架かっていました。
遠くに見えるのは可部線の鉄道橋。まだ当時のまま残っています。
昔はあそこを電車が通っていたのでしょう。
鉄道橋を潜り、次の目的地である安野駅を目指します。
しばらく走ると線路の跡が見えてきました。
遠くに電車が停まっているのが見えます。
ここが安野駅です!
片鉄ロマン街道の吉ヶ原駅の様に当時の駅舎とホーム、そして電車や踏切まで残っています。
このようにパッと見たら「電車に轢かれちゃうパリピ」的な、記念写真まで撮れます。
安野駅にはバイクラックも置いてあります。
我々の他にもサイクリストがたくさんいました。
ここまで来れば最終目的地の温井ダムもあと少しです。
雰囲気抜群なトンネルを抜け、加計へと向かいます。
津浪駅を通過。
ここには道の駅があったのですが、時間の関係もありスルーします。
線路の跡が少しだけ残っています。
片鉄ロマン街道やつくばりんりんロードの様にサイクリングロードにすれば楽しそうですが、鉄道の跡に新しく道を作っている所が、何箇所かあったとは言え、可部線は鉄道橋も多く老朽化も進んでいましたから難しいのかもしれません。
そして意外だったのは、国道沿いは想像以上に交通量が多いということでした。
広島市内から近く、高速道路も近いからかもしれませんね。
加計に到着。
なんだかこの町並み、青梅に少しだけ似てるような気がしてなりません。
加計と言えば、このお店のたい焼きだと言われているくらい有名なたい焼き屋さん。
土曜日の夕方だというのにすごい行列が…。
路上駐車している車も数多くいました。
こちらのたい焼きは以前にお土産で頂いたことがあるのですが、出来れば出来たてを食べてみたい…。
しかし時間の事情で今回はスルー。
たい焼きは諦めて我々は旧加計駅跡でひと休みすることにしましょう。
ここにも当時の名残が残っています。
これは鉄道橋の跡かな?
当時の車両らしきものもありました。
近くに行って写真を撮りたかったのですが、時間の関係でとりあえず一枚だけ写真を撮りました。
というか、例のごとく構図とかピントとかも段々適当になってきました。
加計を出発してすぐに遂に最終目的地である、温井ダムの看板が見えて来ました。
既にここまでで150km程走っており、ツキイチの癖に流石に脚が終わりかけていますが、残り5kmの文字が見えた瞬間自然をペダルに力が入ります。
ダムと言えば当然高いところにあるのでここから5kmはひたすら登りが続きます。
私も来てみて驚いたのですが、ドミさんと合流してからここまでのルート、実はほとんど登りがありません。
山と山の間を上手くすり抜けて行くように道路が作られているのです。
洞門潜ると若干ですが、紅葉が始まっていました。
遠くに見えているのが温井ダムです。
2人で「アア!オワッタ!!」と何度も言いながらも励ましあい、ようやく登りきりました。
あとはここを右折すればダムが見えて来ます。
そして、遂に!遂に温井ダムへ到着!!
加計には以前に一度だけ車で行ったことがあるのですが、まさか自転車で来ることがあるとは…。
ここまで自転車だけで来たと思うと達成感が物凄いです。
最高水位はあの赤い線までらしいです。
かなりギリギリじゃないか…?
満水になったところも見られるなら見てみたいですね。
ダムの上から見下ろすとスゴイ迫力でした。
ぴろ:「あの階段は何段あるんでしょうね…。興味あるのであそこから降りて写真撮ってきます。」
ドミさん:「え!?あれは降りられませんよ!非常時とかにダムの管理人が降りる所では。」
ぴろ:「え!?そんなぁ…エレベーターとかは無いんですか?」
ドミさん:「確かあったはずですけど、エレベーターで下まで降りたりしていたら、ぴろさん何時に帰れるんですか?可能なら自走で帰るって言ってましたけど、もう16時ですよ…。」
なんということでしょう。
気がつけばもう間もなくで日が沈むような時間です。
これ以上遅くなって自走で帰っていたら、来る時に通った福富の山中辺りで冷たくなって発見されそうです。
下まで降りるのは断念し、近場で記念に撮影をして引き返すことに。
ダム付近は部分的ではありますが、綺麗に色付いているところがありました。
時間も時間なので、写真を撮ったらすぐに下ります。
時間帯的にも距離的にも自走で帰るのは厳しいと判断。(最初に引いたルートは往復250kmくらいだった。)
というかもう疲れたし、満足したので、広島駅から輪行することに。
なんとドミさん、広島駅までも案内して下さいました…。
おお…なんと心優しい人でしょう。
私を牽き続けたせいでとてもお疲れの様子でした。
さあ、電車に乗ろう!と思ったら、ちょうどいい電車が無いので、まさかの新幹線ワープを決行。
あっという間へ尾道まで戻り、最後は自宅までのんびり自走し、本日のトータル走行距離は208km程となりました。
毎度思いつきで始まる、私のロングライド計画ですが、ドミさんのお陰でとても楽しむことが出来ました。
本当にありがとうございました。
次回は島根県辺りまで行くことを考えているのですが、雪が降らないことを祈ります。
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